「自然自体を商業的価値とするのか」
「自然を壊して商業的価値の場を作り出すのか」。
将来に残す資産『想像する力』
約3000種の動植物が息づく、福井県敦賀市にある「中池見(なかいけみ)湿地」。過去、開発計画で消失の危機に直面したが住民が守り、今や年3万人が訪れる場となった。損得勘定ではなく、後世に資産を残す想像力が大切だ。(105文字)
「毎日新聞 余録(22.9.20掲載)」より要約
今回は635文字を100字要約。
タイトルは「将来に残す資産『想像する力』」とした。
要約のまとめ
- 全体の流れは、「中池見(なかいけみ)湿地の生態系の豊かさ→開発計画で消失の危機→住民たちが守る→年3万人が訪れる場になった→だが安泰ではない」。
- 中池見湿地を具体例として、「資産として自然環境を後世に残せるような想像力が大切」。
これが主張と判断した。 - 中池見湿地に関することが本文の主体だが、抽象化するとテーマは「将来を想像した自然環境保全」だろう。
要約までの記事分析
要約する際におこなった記事の分析です。
文章の構成
起承転結
キーワード
中池見湿地、後世、住民、損得
テーマ(何ついて述べられているか)
将来を想像した自然環境保全について
主張(何を言いたいのか)
目先の損得に目を奪われず、後世に資産を残すような想像力が大切である。
主張の根拠や理由(要約に入れなくてもいい)
- 中池見湿地が年3万人が訪れる場所になっている
- 希少な湿地としてラムサール条約に登録された
記事を読んだ感想
「なぜエベレストに登りたいのか?」
「そこにそれがあるから(Because it is there)」。
イギリスの登山家ジョージ・マロニーの言葉である。
日本では「そこに山があるから」で有名な言葉。
エベレストは世界最高峰の山であり、入山料も約110万円(ネパール側から)と世界最高額。
山の保全や登山者の安全のための入山料でもあるが、山自体を商業的価値として捉えることができる。
山自体を商業的価値として捉えた場合、山を破壊したり形を変えることではなく、保全によって形を守ることで商業的価値を生み出している。
これは世界中どこの山でも同じであろう。
一方、登山者の残すゴミが問題となっている。
最近ではゴミ以外に、登山者の靴底から運ばれてきた「外来植物の種」も問題視されていると聞いた。
形を保全していても、人が行き交うことによって山は少しずつ姿を変えている。
ほんの少しの変化が時を重ねれば、未来にはどれほどの変化をもたらすのだろうか。
「そこに未来があるから」
全く変わらないように見える山も未来も、ほんの少しの変化が、後の大きな変化の種になっているかもしれないのである。
読解力がつくと学びが深まる。大人に必要な読解力を身に付けるための具体的な方法が書かれた一冊。
「文章のどこに注目すれば良いのか」や「要点をどう読み解くのか」など、手取り足取り教わっている感覚で「読み方」を学べる。
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